コンピュータネットワークに関連した法律と判例


1. 憲法法令

2. 著作権法

3. 電気通信事業法

4. 刑法刑事訴訟法

5. 民法

6. 商法




1. 憲法

第11条 《基本的人権》

国民は、すべての基本的人権の享有【生まれながらに有すること】を妨げら れない。この憲法が国民に保障【障害のないよう保つこと】する基本的人権 は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与えられ る。

第12条 《不断の努力と濫用の禁止》

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、こ れを保持しなければならない。又、国民はこれを濫用してはならないのであっ て、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う。

『目的が正当というだけでは公共の福祉に反しないものとはいえない。』

第13条 《個人の尊重と公共の福祉》

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国 民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、 最大の尊重を必要とする。

第19条 《思想・良心の自由》

思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条 《信教の自由》

1)
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国か ら特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2),3)
【略】

第21条 《集会・結社・表現の自由、通信の秘密》

1)
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2)
検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

『言論、出版その他一切の表現の自由は、公共の福祉に反し得ないばかりでな く、自己の自由意志に基づく特別な公法関係上又は私法関係上の義務によっ て制限を受ける』 『プライバシー権は私生活を妄りに公開されない権利で、言論表現等の自由の 保障はこれに優先しない』

第97条 《永久の権利としての基本的人権》

この憲法が国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努 力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪え、現在及び将来 の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。




法令

第2条 《慣習法》

公の秩序又は善良の風俗に反せざる慣習は法令の規定に依りて認めたるもの 及び法令に規定無き事項に関するものに限り法律と同一の効力を有す。




著作権法

第1条 《目的》

この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者 の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に 留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もって文化の発展に寄与するこ とを目的とする。

第10条 《著作物の例示》

1)
この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
1:  
小説、脚本、論文、公演その他の言語の著作物
2:〜9:
【略】
2)
事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第1号に掲げる著作物 に該当しない。
3)
【略】

第13条 《権利の目的とならない著作物》

次の各号のいずれかに該当する著作物は、この章の規定による権利の目的と なることができない。

1:
憲法その他の法令
2:
国又は地方公共団体の機関が発する告示、訓令、通達その他 これらに類するもの
3:
裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び 決定で裁判に準ずる手続きにより行われるもの
4:
前3号に掲げるものの翻訳物及び編集物で、国又は地方公共団体 の機関が作成するもの

第32条 《引用》

1)
公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合に おいて、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、 研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。
2)
国又は地方公共団体の機関が一般に周知させることを目的として 作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書そ の他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行 物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、 この限りでない。

第39条 《時事問題に関する論説の転載等》

1)
新聞紙又は雑誌に掲載して発行された政治上、経済上又は社会上の 時事問題に関する論説(学術的な性質を有するものは除く。)は、他の新聞紙若 しくは雑誌に転載し、又は放送し、若しくは有線放送することができる。ただ し、これらの利用を禁止する旨の表示がある場合は、この限りではない。
2)
【略】

第40条 《政治上の演説等の利用》

1)
公開して行われた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の 行う審判その他裁判に準ずる手続きを含む。第42条において同じ。)におけ る公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、い ずれの方法によるかを問わず、利用することができる。
2)
国又は地方公共団体の機関において行われた公開の演説又は陳述 は、前項の規定によるものを除き、報道の目的上正当と認められる場合には、 新聞紙若しくは雑誌に掲載し、又は放送し、若しくは有線放送することがで きる。
3)
【略】

第48条 《出所の明示》

1)
次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、 その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明 示しなければならない。
1:
第32条【引用】、第33条第1項(同条第4項において準用する場合を 含む。)、第37条、第42条又は第47条の規定により著作物を複製する場合。
2:
第34条第1項、第39条【時事問題に関する論説の転載等】第1項又は 第40条【政治上の演説等の利用】第1項若しくは第2項の規定により著作物を利 用する場合。
3:
第32条【引用】の規定により著作物を複製以外の方法により利用 する場合又は第35条、第36条第1項、第38条第1項、第41条若しくは第46条の 規定により著作物を利用する場合において、その出所を明示する慣行があるとき。
2)
前項の出所の明示に当たっては、これに伴い著作者名が明らかに なる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物に つき表示されている著作者名を示さなければならない。
3)
第43条の規定により著作物を翻訳し、編曲し、変形し、又は翻案 して利用する場合には、前2項の例により、その著作物の出所を明示しなけ ればならない。

第59条 《著作者人格権の一身専属性》

著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。

第112条 《差止請求権》

1)
著作者、著作権者、出版者、又は著作隣接権者は、その著作者 人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれ がある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
2)
【略】

第113条 《侵害とみなす行為》

1)2)
【略】
3)
著作者の名誉又は声望を害する方法によりその著作物を 利用する行為は、その著作者人格権を侵害する行為とみなす。

第119条 《罰則》

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は100万円以下の 罰金に処する。

1:
著作者人格権、著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者 (第30条(第102条第1項において準用する場合を含む。)に定める私的使用 の目的をもって自ら著作物又は実演等の複製を行った者を除く。)
2:
【略】

第123条 《親告罪》

1)
第119条及び第121条第2号の罪は、告訴をまって論ずる。
2)
【略】



電気通信事業法

第2条 《定義》

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるとこ ろによる。

1:電気通信
有線、無線その他の電磁的方法により、符号、音響又は影像を送り、 伝え、又は受けることをいう。
2:電気通信設備
電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。
3:電気通信役務
電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信 設備を他人の用に供することをいう。
4:電気通信事業
電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業 (【除外事業・略】)をいう。
5:電気通信事業者
電気通信事業を営むことについて、第9条第1項の許可を得た者、 第22条第1項の規定による届け出をした者及び第24条第1項の登録を 受けた者をいう。
6:電気通信業務
電気通信事業者の行う電気通信役務の提供の業務をいう。

第3条 《検閲の禁止》

電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。

第4条 《秘密の保護》

1)
電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。
2)
電気通信事業に従事する者は、在職中電気通信事業者の取扱中に 係る通信に関して知り得た他人の秘密を守らなければならない。その職を退 いた後においても、同様とする。

第6条 《事業の種類》

1)
電気通信事業の種類は、第1種電気通信事業及び第2種電気通信 事業とする。
2)
第1種電気通信事業は、電気通信回線設備(送信の場所と受信 の場所との間を接続する伝送路設備及びこれと一体として設置される交 換設備並びにこれらの付属設備をいう。以下同じ。)を設置して電気通信 役務を提供する事業とする。
3)
第2種電気通信事業は、第1種電気通信事業以外の電気通信 事業とする。

第21条 《第2種電気通信事業》

1)
第2種電気通信事業の種類は一般第2種電気通信事業及び特別 第2種電気通信事業とする。
2)
一般第2種電気通信事業は、特別第2種電気通信事業以外の第 2種電気通信事業とする。
3)
特別第2種電気通信事業は、電気通信設備を不特定かつ多数の 者の通信の用に供する第2種通信事業であって、当該設備の規模が電気通信 回線の収容能力を基礎として政令で定める基準を超える規模であるもの及び 本邦外の場所との間の通信を行うための電気通信設備を他人の用に供する 電気通信事業とする。



刑法

第38条 《過失・無知》

1)
罪を犯す意なき行為は之を罰せず。但法律に特別の規定ある場合は 此の限に在らず。
2)
罪本重かる可くして犯すとき知らざる者は其重きに従て処断する ことを得ず。
3)
法律を知らざるを以って罪を犯す意なしと為すことを得ず。 但情状に因りその罪を減軽することを得。

『単に自己の行為に対する社会道義上又は法律上の価値判断を誤って違法では ないとか犯罪でないとかと考えるのは、法律の不知に該当し、犯意がないと はいえない』

『犯罪構成に必要な事実の認識に欠くるところがなければ、単なる法律の不知 は犯意の成立を妨げない』

『零細なる反法行為は犯人に危険性ありと認めむべき特殊の状況の下に決行せ られたるものに非ざる限り、共同生活上の観念に於いて刑罰の制裁を加えう べき法益の侵害と認めざる以上は犯罪を構成することなし』

第42条 《自首・首服》

1)
罪を犯し未だ官に発覚せざる前自首したる者は其刑を減軽する ことを得る。
2)
告訴を待て論ず可き罪に付き告訴権を有する者に首服したる者 亦同じ。

第66条 《情状酌量》

犯罪の情状憫諒す【かわいそうに思う】可きものは酌量して其刑を減軽する ことを得。

『酌量減軽を為すべき場合は、法定刑の最低をもってしてもなお重いときにか ぎる』

第172条 《誣告罪》【虚偽の告訴告発】

人をして刑事又は懲戒の処分を受けしむる目的を以って虚偽の申告を為した る者は第169条【偽証罪】の例に同じ。

『被誣告者の承諾があったとしても、本罪の成立に影響を及ぼすものではない』

『その虚偽たることを確定的に認識していたことを必要とするものではなく、 未必的な認識があれば足りる』

第173条 《自白》

前条の罪を犯したる者申告したる事件の裁判確定前又は懲戒処分前自白した るときは其刑を減軽又は免除することを得る。

第222条 《脅迫罪》

1)
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加う可きことを以て人を脅迫し たる者は2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処す。
2)
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加う可きことを以て人を 脅迫したる者亦同じ。

『人を畏怖させる意思でその人に畏怖心を生ぜしむべき害悪を通告する以上、 脅迫罪は成立する』

『告訴の意思なく又はその意思不確定なるに拘らず告訴を為すべきことを通告 するは、脅迫に属する害悪の通知であって、相手方の不法行為と対比して違 法性なしとすることはできない』

第223条 《強要罪》

1)
生命、身体、自由、名誉若くは財産に対し害を加う可きことを以て 脅迫し又は暴行を用い人をして義務なきことを行わしめ又は行う可き権利を 妨害したる者は3年以下の懲役に処す。
2)
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加う可きことを 以て脅迫し人をして義務なきことを行わしめ又は行う可き権利を妨害したる者 亦同じ。
3)
前2項の未遂罪は之を罰す。

第230条 《名誉毀損罪》

1)
公然事実を摘示し人の名誉を毀損したる者は其事実の有無を問わず 3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処す。
2)
死者の名誉を毀損したる者は誣罔【嘘、偽り】に出ずるに非ざれば 之を罰せず。

『名誉とは人の社会的評価又は価値を指称する』

『本条にいう公然事実を摘示するとは、他人の名誉を毀損すべき事実を不特定 多数の人に認識させる状態に置くことをいう』

『不特定多数の見聞し得る状況で事実を摘示すれば、たとえその当時見聞者が いなかったとしても、公然事実を摘示したものということを妨げない』

『多人数であってもその数又は集合の性質から見て、よく秘密が保たれ絶対に 伝播のおそれがないような場合には、公然ということはできない』

『名誉毀損における事実は、必ずしも非公知のものであることを要せず、公知 の事実であっても、これを摘示表白した場合は同罪を構成する』

第230条の2 《公益性と真実性》

1)
前条第1項の行為公共の利害に関する事実に係りその目的専ら 公益を図るに出でたるものと認むるときは事実の真否を判断し真実なるこ との証明ありたるときは之を罰せず。
2)
前項の規定の適用については未だ公訴の提起せられざる人の 犯罪行為に関する事実は之を公共の利害に関する事実と看做す。
3)
前条第1項の行為公務員又は公選に依る公務員の候補者に関する 事実に係るときは事実の真否を判断し真実なることの証明ありたるときは之 を罰せず。

『本条第1項にいう事実が真実であることの証明がない場合でも行為者がその 事実を真実であると誤信しその誤信したことについて確実な資料根拠に照ら し相当の理由あるときは犯罪の故意がなく名誉毀損の罪は成立しないものと 解するのが相当である』

『摘示事実が真実であると誤信していたとしても、記録及びすべての証拠上、 その事実が真実であることの確認ができないときは、本条にいう「真実なる ことの証明」がなされなかったものとして、名誉毀損の罪責を免れることが できない』

『公務員の職務と何の関係もない事実を摘示して、公務員の名誉を毀損したと きは、本条3項の適用はない』

第231条 《侮辱罪》

事実を摘示せずと雖も公然人を侮辱したる者は拘留又は科料に処す。

『公然の侮辱罪とは、不特定多数の見聞き得べき場所で人の名誉を毀損すべき 意見を発表する行為をいうのであって、被害者がその当時その場所にいたか どうかを問わない』

『他人の名誉を毀損する具体的事実を公然告知したのではなく、単にその社会 的地位を軽蔑する自己の抽象的判断を発表したのにすぎない場合には、侮辱 罪が成立する』

第232条 《親告罪》

1)
本章の罪【名誉毀損・侮辱】は告訴を待て之を論ず。
2)
【略】

『告訴権の放棄は許されないのであって、不名誉な事項を新聞紙に掲載された 場合に、被害者が新聞紙法に基き正誤文の掲載を請求する権利を行使したか らといって、告訴権を放棄したものということはできない』

第233条 《信用毀損罪・業務妨害罪》

虚偽の風説を流布し又は偽計を用い人の信用を毀損若くはその業務を妨害し たる者は3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処す。

第235条 《電子計算機業務妨害罪》

人の業務に使用する電子計算機若くは其用に供する電磁的記録を損壊し若く は人の業務に使用する電子計算機に虚偽の情報若くは不正の司令を与え又は 其他の方法を以て電子計算機をして使用目的に副う可き動作を為さしめず又 は使用目的に違う動作を為さしめて人の業務を妨害したる者は5年以下の懲 役又は100万円以下の罰金に処す。




刑事訴訟法

第230条 《告訴》

犯罪により害を被ったものは、告訴をすることができる。

『名誉毀損の告訴には侮辱の告訴としての効力も含まれているものと解してよ い』

第235条 《親告罪の告訴》

1)
親告罪の告訴は、犯人を知った日から6ヶ月を経過したときは、 これをすることができない。【後略】
2)
【略】

『本条第1項の「犯人を知る」というのは犯人の氏名までを確認することを要 せず、その何人であるかを他の者を弁別しうる程度に認識すれば足りると解 すべきである』

第239条 《告発》

1)
何人でも、犯罪があると思料するときは、告発をすることができる。
2)
官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料する ときは告発をしなければならない。

第247条 《国家訴追》

公訴は検察官がこれを行う。

第248条 《起訴便宜》

犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の状況により 訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

第335条 《有罪判決》

1)
有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び 法令の適用を示なければならない。
2)
法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる 事実が主張されたときは、これに対する判断を示さなければならない。

『「起訴事実がたとえ認められるとしても、それは微罪であり、共同生活上ほ とんど放任された行為で、これを違法視することはできない」旨の主張は、 本条2項の主張に当たらない』




民法

第710条 《精神的損害に対する損害賠償》

他人の身体、自由又は名誉を害したる場合と財産権を害したる場合とを問わ ず前条の規定【損害賠償】に依りて損害賠償の責に任ずる者は財産以外の損 害に対しても其賠償を為すことを要す。

第723条 《名誉毀損の損害賠償の特例》

他人の名誉を毀損したる者に対しては裁判所は被害者の請求に因り損害賠償 に代え又は損害賠償と共に名誉を回復するに適当なる処分を命ずることを得。




商法

第4条 《商人》

1)
本法に於て商人とは自己の名を以て商行為を為すを業とする 者を謂う。
2)
店舗其の他之に類似する設備に依りて物品の販売を為すを業と する者又は鉱業を営む者は商行為を為すを業とせざるも之を商人と看做す。 第52条第2項の会社【営利社団】亦同じ。

第52条 《会社》

1)
本法に於て会社とは商行為を為すを業とする目的を以て 設立したる社団を謂う。
2)
営利を目的とする社団にして本編の規定により設立したるもの は商行為を為すを業とせざるも之を会社と看做す。

第501条 《商行為》

左に掲げたる行為は之を商行為とす。

1:
利益を得て譲渡す意思を以てする動産、不動産若しくは 有価証券の有償取得又は其取得したるものの譲渡を目的とする行為
2:
他人より取得すべき動産又は有価証券の供給契約及び其 履行のためにする有償取得を目的とする行為
3:4:
【略】

第502条 《営業としての商行為》

左に掲げたる行為は営業として之を為すときは之を商行為とす。但専ら賃金 を得る目的を以て物を製造し又は労務に服する者の行為は此限りに在らず。

1:〜12:【略】

第503条 《商人の行為》

1)
商人が其営業の為にする行為は之を商行為とす。
2)
商人の行為は其営業の為にするものと推定す。

『商人が雇主として締結する雇用契約はその営業のためにするものと推定すべ きである』

第523条 《営利の社団の行為》

第52条第2項に定めたる会社【営利社団】の行為は商行為に関する規定を 準用す。