FreeBSD 3.0-RELEASE + PAO3 インストール編

$Id: pao3.html,v 1.2 1999/01/26 11:59:47 ohnishi Exp ohnishi $

いきなりであるが、 「FreeBSD 3.0-RELEASE を日常的に使わねばならんのではないか」 という半ば妄想的な考えにとらわれてしまった。理由は、大体以下の通り:

というわけで、思い切って現在使用中の VAIO 505 に FreeBSD 3.0-RELEASE + PAO3 をインストールしてみる。もしうまく行かなくても、 「もう一度 2.2.8R インストールすればいい」ことだし(本当か?)。


FreeBSD 3.0-RELEASE のインストール (1999/1/21)

まずは、普通の 3.0R をインストールする。 手元には 3Com EtherLink III 3C589C があるので、 ネットワークインストールを選択。 このカードは FreeBSD 3.0R では、zp として使用可能。

boot.flp はまず 3.0R 版を使用したが、 ネットワーク関連の設定を行った後で "add route default ..." という画面のまま凍りついてしまい、続行不可能。 面倒なので、2.2.8R boot-pao.flp を用いてリトライ。 [4 Options] で "Release Name" を "3.0-RELEASE" に変更、 という以前使った方法により 3.0R の配布物を入手することに成功。 root passwd など最低限の追加設定を行い、とりあえずのインストールは終了。

3.0R が公開されてから結構時間が経っているので、 Package は必要最低限のもの以外インストールせず(ex. bash-2.02.1, cvsup-15.4.2)。 XFree86 を含めほとんどのアプリケーションは、 Ports-current を使用して最新のものにしようと試みる。まあ、これは後回し。

とりあえず 3.0R の pccardd を有効にしてみる。手順の概要は、以下の通り:

実際には BIOS Setup で IrDA の irq を 10 以外に設定しないとダメだったが。 とりあえずこれで 3Com 3C589C は、 インターフェース ep として使用可能なことを確認する。一応抜き差しも OK。 後は CVSup で PAO3 のソースを入手するのみ、 であったのだが…サーバに接続を拒否され続ける。 今日は研究会やミーティングのため作業の時間がなかなかとれず、 既にこの時日付は 1/22 に変わっていた。このあたりの時間帯、 世の中ではあちこちでたくさん CVSup が走っているのかもしれない。 そうこうしているうちに帰宅せねばならなくなったので、 今日の作業はここまで。


PAO3 のインストール (1/23)

PAO3 のインストールには、以下のものが必要:

PAO3 のソースは現在、CVSup でのみ入手可能。僕が使っている cvsup ファイルは、 ここに。これだと /usr/src/PAO3 以下に、 PAO3 のソースが全て展開される。 ついでに 2.2.8R 版 PAO kit も、CVSup を用いて最新のものを入手する。 こちらの cvsup ファイルは、ここに。 これで /usr/src/PAO/kit が手に入る。

一連のソースを入手した後、以下の作業を行いカーネルを再構築する:

	# cd /usr/src
	# ln -s /usr/src/PAO3/src/sys .		# /sys で作業したいのよ
	# cd /sys/i386/conf
	# cp PAO_ALL VAIO
	# vi VAIO				# 好きなように編集
	# config VAIO
	# cd ../../compile/VAIO
	# make depend && make
	...					# しばし待つ
	# make install

config 時に "unknown option ..." という旨の警告がたくさん出るが、 気にしないでコンパイル。3.0R の config は、 実行する毎にいちいちディレクトリを消したりしなくなった。 なんだか BSD/OS を使っていた時を思い出すな。config ファイルの編集は、 2.2.x での設定と同様で OK。次に、userland の構築:

	# cd /usr/include
	# mv machine machine.dist
	# ln -s /sys/i386/include machine
	# mv pccard pccard.dist
	# ln -s /sys/pccard .
	# cd /usr/src/PAO3/src/sbin/shutdown
	# make; make install			# install /sbin/shutdown
	# cd ../../usr.sbin/pccard
	# make; make install			# install /usr/sbin/pccard{d,c}

ここで PAO3 のヘッダファイルを /usr/include に移す手法は、 KAMEの流儀。 /sys 以下をとっかえひっかえしても平気なので、結構便利である。 最後に、/etc 以下のファイルを更新する。 ここでの 2.2.8R 用 PAO kit は、/usr/src/PAO/kit 以下に展開されている。

	# cd /usr/src/PAO/kit/release/etc
	# cp pccard.conf.sample /etc/pccard.conf
	# cp pccard_ether pccard_ether_remove rc.pccard /etc
	# cd /etc
	# vi /etc/rc.conf			# pccard 用の設定を追加
	# vi /etc/pccard.conf			# 必要に応じて

/etc/rc.conf に追加する内容は、PAO/kit/release/src/etc/rc.conf.diff の内容そのままである。このあと再起動することで、 ようやく FreeBSD 3.0R with PAO3 が使用可能となる。 SCSI 以外で僕が持っている PC カードは以下の通りだが、どれも使用可能である:


Takayoshi OHNISHI
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