いきなりであるが、 「FreeBSD 3.0-RELEASE を日常的に使わねばならんのではないか」 という半ば妄想的な考えにとらわれてしまった。理由は、大体以下の通り:
というわけで、思い切って現在使用中の VAIO 505 に FreeBSD 3.0-RELEASE + PAO3 をインストールしてみる。もしうまく行かなくても、 「もう一度 2.2.8R インストールすればいい」ことだし(本当か?)。
まずは、普通の 3.0R をインストールする。 手元には 3Com EtherLink III 3C589C があるので、 ネットワークインストールを選択。 このカードは FreeBSD 3.0R では、zp として使用可能。
boot.flp はまず 3.0R 版を使用したが、 ネットワーク関連の設定を行った後で "add route default ..." という画面のまま凍りついてしまい、続行不可能。 面倒なので、2.2.8R boot-pao.flp を用いてリトライ。 [4 Options] で "Release Name" を "3.0-RELEASE" に変更、 という以前使った方法により 3.0R の配布物を入手することに成功。 root passwd など最低限の追加設定を行い、とりあえずのインストールは終了。
3.0R が公開されてから結構時間が経っているので、 Package は必要最低限のもの以外インストールせず(ex. bash-2.02.1, cvsup-15.4.2)。 XFree86 を含めほとんどのアプリケーションは、 Ports-current を使用して最新のものにしようと試みる。まあ、これは後回し。
とりあえず 3.0R の pccardd を有効にしてみる。手順の概要は、以下の通り:
実際には BIOS Setup で IrDA の irq を 10 以外に設定しないとダメだったが。 とりあえずこれで 3Com 3C589C は、 インターフェース ep として使用可能なことを確認する。一応抜き差しも OK。 後は CVSup で PAO3 のソースを入手するのみ、 であったのだが…サーバに接続を拒否され続ける。 今日は研究会やミーティングのため作業の時間がなかなかとれず、 既にこの時日付は 1/22 に変わっていた。このあたりの時間帯、 世の中ではあちこちでたくさん CVSup が走っているのかもしれない。 そうこうしているうちに帰宅せねばならなくなったので、 今日の作業はここまで。
PAO3 のインストールには、以下のものが必要:
PAO3 のソースは現在、CVSup でのみ入手可能。僕が使っている cvsup ファイルは、 ここに。これだと /usr/src/PAO3 以下に、 PAO3 のソースが全て展開される。 ついでに 2.2.8R 版 PAO kit も、CVSup を用いて最新のものを入手する。 こちらの cvsup ファイルは、ここに。 これで /usr/src/PAO/kit が手に入る。
一連のソースを入手した後、以下の作業を行いカーネルを再構築する:
# cd /usr/src # ln -s /usr/src/PAO3/src/sys . # /sys で作業したいのよ # cd /sys/i386/conf # cp PAO_ALL VAIO # vi VAIO # 好きなように編集 # config VAIO # cd ../../compile/VAIO # make depend && make ... # しばし待つ # make install
config 時に "unknown option ..." という旨の警告がたくさん出るが、 気にしないでコンパイル。3.0R の config は、 実行する毎にいちいちディレクトリを消したりしなくなった。 なんだか BSD/OS を使っていた時を思い出すな。config ファイルの編集は、 2.2.x での設定と同様で OK。次に、userland の構築:
# cd /usr/include # mv machine machine.dist # ln -s /sys/i386/include machine # mv pccard pccard.dist # ln -s /sys/pccard . # cd /usr/src/PAO3/src/sbin/shutdown # make; make install # install /sbin/shutdown # cd ../../usr.sbin/pccard # make; make install # install /usr/sbin/pccard{d,c}
ここで PAO3 のヘッダファイルを /usr/include に移す手法は、 KAMEの流儀。 /sys 以下をとっかえひっかえしても平気なので、結構便利である。 最後に、/etc 以下のファイルを更新する。 ここでの 2.2.8R 用 PAO kit は、/usr/src/PAO/kit 以下に展開されている。
# cd /usr/src/PAO/kit/release/etc # cp pccard.conf.sample /etc/pccard.conf # cp pccard_ether pccard_ether_remove rc.pccard /etc # cd /etc # vi /etc/rc.conf # pccard 用の設定を追加 # vi /etc/pccard.conf # 必要に応じて
/etc/rc.conf に追加する内容は、PAO/kit/release/src/etc/rc.conf.diff の内容そのままである。このあと再起動することで、 ようやく FreeBSD 3.0R with PAO3 が使用可能となる。 SCSI 以外で僕が持っている PC カードは以下の通りだが、どれも使用可能である: