第 1 章 |
製品概要 |
この章では、ハードドライブを除くシステムハードウェア全般について説明します。ドライブについての詳細は、製品に付属のマニュアルをご覧ください。
Netra st システムは、シャーシ、2 個の電源装置(AC または DC)、2 個の冷却装置、コントローラボード、4〜12 個のホットプラグ交換が可能な UltraSCSI ハードディスクドライブで構成されています。
出荷時の基本構成には、以下の 4 種類があります。
Netra st A1000 および Netra st D1000 システムについての詳細は、下記を参照してください。
システムシャーシには、以下のような取り外し可能な装置を格納しています。
装置の正面側にあるコンポーネント
図 1-1 Netra st A1000 の正面正面ドア
鍵付きの正面ドアを開くと、ハードディスクドライブにアクセスできます。
システムのバックプレーンには、1 インチドライブを 12 台まで取り付けることができます。
本体正面の LED
Netra st A1000 システムの正面側の LED について以下に説明します。 図 1-2 に説明図があります。各 LED の詳細、および LED の色に応じてとるべき処置については 第 6 章 を参照してください。
装置の背面側にあるコンポーネント
1. コントローラ稼働 LED
5. 温度障害 LED
9. バッテリー
2. コントローラ障害 LED
6. コントローラ通電 LED
10. ファン状態 LED
3. 電源スイッチ
7. バッテリー障害 LED
11. 電源装置状態 LED
4. SCSI ID スイッチ
8. バッテリー充電状態 LED
12. 電源コネクタ (AC)
図 1-2 Netra st A1000 の背面 (AC 構成)A1000 システムの背面には、電源装置 (2 個)、冷却装置 (2 個) (ファンはそれぞれの装置に 2 個ずつ)、バッテリー、ホスト SCSI バス用 68 ピンコネクタ (2 個)、SCSI ID スイッチ、電源スイッチがあります。電源スイッチ
Netra st A1000 システムには、両方の電源装置をコントロールする電源スイッチが 1 つあります (図 1-2)。
注意 -電源スイッチをスタンバイの位置に切り替えても、システムへの電源が完全に切断されるわけではありません。コンセントから電源装置に送られる AC または DC 入力は、電源コードのプラグを抜くまで供給されています。
SCSI ID スイッチ
Netra st A1000 には、コントローラの SCSI ターゲットアドレスを 0〜15 の間で選択するための SCSI ID スイッチが 1 つあります。
バッテリー
Netra st A1000 システムでは、ハードウェア RAID コントローラボード上にデータキャッシュ保持用のバッテリーを装備しています。停電しても、バッテリーが完全に充電されていれば、コントローラのデータキャッシュメモリーに最大 3 日間電力が供給されます。バッテリーからデータキャッシュメモリーに給電されている限り、データキャッシュメモリーに保管されているデータはすべて保持されます。バッテリーは、電源が入っていれば自動的に再充電されます。また、2 年間の寿命が過ぎて交換するときも、他のモジュールを取り外す必要はありません。
背面側の LED
以下は Netra st A1000 システムの背面側にある LED と、その簡単な説明です。各 LED の詳細、および LED の色に応じてとるべき処置については、 第 6 章 を参照してください。
Netra st A1000 コントローラには、以下の 6 個の単色 LED があります。
Netra st A1000 システムの背面側には、コントローラ LED のほかにも以下の LED があります。
電源装置
Netra st A1000 システムには、ホットプラグ交換 (使用中の交換) が可能な電源装置が 2 つ備わっています。2 つの電源装置が、AC 入力電圧を DC 電圧に変換して内部の部品に電力を供給します。これらの電源装置は冗長電源装置であり、一方の電源装置に障害が発生しても、もう一方の電源装置がシステムに電力を供給し続けます。どちらの電源装置も取り外し可能な装置であり、システム背面にある 2 つのスロットのいずれか一方に挿入して取り付けます。電源装置は、ロックハンドル、電源状態 LED、AC 電源コードコネクタを装備しています。DC 構成の電源装置は、DC -48 V 入力電圧を DC 電圧に変換します。Netra st システムの DC 構成についての詳細は、『Netra st A1000 および Netra st D1000 ご使用にあたって』を参照してください。
AC 構成の電源装置は、AC 入力電圧を DC 電圧に変換します。図 1-4 に AC 構成の Netra st A1000 を示します。
冷却装置
Netra st A1000 システムには、冷却装置が 2 つ備わっており、各装置にファンが 2 つずつ付いています。冷却装置は、ホットプラグ交換が可能です。 Netra st A1000 システムでは、4 つのファンのうち 3 つが機能すれば、十分な冷却風が供給されます。ファンが 2 つ故障しても、残りの 2 つのファンでシステムを 30℃の環境に維持できますが、部品の信頼性が低下する恐れがあります。 ファンの回転速度は可変であり、ファンの 1 つが故障した場合や内部温度が上昇したときなど、回転速度を上げて冷却状況の異常を改善します。冷却のための条件は、以下のとおりです。
- システムに十分な空気が流れるようにしてください。内蔵ファンの通風量は、システム内に通風の妨げとなるものがない場合で、最大 150 cfm です。
- 空気は格納装置の正面から取り入れられ、背面から排出されます (図 1-5)。
- 空気取り入れ部と排出部には、それぞれ少なくとも 200 cm の空間を確保してください。
- 十分な通風を維持するため、エアフィルタは少なくとも 6 か月に 1 回交換してください。交換方法は、「エアフィルタを交換する」を参照してください。
- 通風条件は、開放型のラックシステムか密閉型のラックシステムかによって異なります。図 1-6 に開放型ラックシステムの通風条件を、図 1-7 に密閉型ラックシステムの通風条件を示します。
ディスクドライブ
システムに装着されているドライブ固有の情報については、システムに付属している各ドライブのマニュアルを参照してください。
ディスクドライブのアドレス ID の割り当て
各ドライブベイには、固有の ID が割り当てられています。 Netra st A1000 では、RAID Manager ソフトウェアは、ドライブを [x, y]形式で認識します。この[x, y]は、次の要素を意味します。
- 12 ドライブの Netra st A1000 システムでは、ドライブバンクとドライブ ID は次のようになります (左から右の順) 。
[2,0] [2,1] [2,2] [2,3] [2,4] [2,5] および [1,0] [1,1] [1,2] [1,3] [1,4] [1,5]
ダミードライブ
ディスクドライブを最大数まで搭載しないシステム構成であった場合、空いたスロットにはダミードライブが取り付けられています。ダミードライブが気流防止材となって空気の流出を遮断することで、システム内の冷却能力が最大限に保たれます。ディスクドライブが取り付けられていないスロットがある場合には、装置が適切に冷却されるように、ダミードライブを取り付けてください。
Netra st A1000 のハードウェア RAID コントローラボード
Netra st A1000 のハードウェア RAID コントローラモジュールは、高性能なディスクアレイ管理サービスを提供できるよう設計された、コンパクトな装置です。コントローラモジュールは、16 ビットの SCSI-2 バスによる 2 つの SCSI ホストをサポートしています。コントローラモジュール内部に SCSI コントローラが 2 つあり、このコントローラで、最大 12 台のディスクドライブに対するデータの配布と格納を管理します。システムの状態と障害の検出もコントローラが行います。RAID 6.1.1 を使用することで、ユーザーはさまざまな RAID 構成のディスクアレイを設定できます。 Netra st A1000 コントローラモジュールは、プログラムメモリー用に 4 MB の SIMM (Single Inline Memory Module) が 2 つと、データキャッシュメモリー用に 8 MB の SIMM を 2 つ装着して出荷しています。ホスト接続用の 68 ピン UltraSCSI コネクタも 2 つ備わっています。コントローラ上のメモリーバッファーであるデータキャッシュメモリーは、RAID Manager (ディスクアレイ管理ソフトウェア) の書き込みキャッシュ機能をサポートするために使用されます。標準構成では 24 MB の DRAM を搭載していますが、これを 80 MB まで増設できます。「SIMMの増設手順」をご覧ください。
Netra st A1000 ソフトウェア
Netra st A1000 ハードウェア RAID コントローラ用のファームウェアは、工場でインストールされています。システムには、ホストシステム上で実行する RAID Manager 6.1.1 ソフトウェアが付属しています。このソフトウェアを使用して、システムの RAID 機能やホットスペアドライブを設定します。詳細は、RAID Manager 6.1.1 ソフトウェアのマニュアルを参照してください。
Netra st D1000 装置
システムシャーシには、以下のような取り外し可能なデバイスが格納されています。
装置の正面側にあるコンポーネント
正面ドア
正面ドアを開くと、ハードディスクドライブにアクセスできます。
システムのバックプレーンには、1 インチのハードディスクドライブを 12 台まで取り付けることができます。
正面側の LED
Netra st D1000 システムの正面側の LED について以下に説明します。図 1-8 に説明図があります。 各 LED の詳細、および LED の色に応じてとるべき処置については、 第 6 章を参照してください。
装置の背面側にあるコンポーネント
1. コントローラ稼働 LED
4. 電源スイッチ
7. 電源装置状態 LED
2. 温度障害 LED
5. (予約済み)
8. 電源コネクタ (AC)
3. オプションスイッチ
6. ファン状態 LED
Netra st D1000 システムの背面には、電源装置 (2 個)、冷却装置 (2 個、ファンはそれぞれの装置に 2 個ずつ装備)、ホスト SCSI バス用 68 ピンコネクタ (4 個)、電源スイッチがあります。
電源スイッチ
Netra st D1000 システムには、両方の電源装置をコントロールする電源スイッチが 1 つあります (図 1-9)。
注意 -電源スイッチをスタンバイの位置に切り替えても、システムへの電源が完全に切断されるわけではありません。コンセントから電源装置に送られる AC 入力は、電源コードのプラグを抜くまで供給されています。
オプションスイッチ
1. 左バンクのディスクドライブ用の SCSI ID
- 上側: 0-5 (出荷時の設定)
- 下側: 8-13
2. 右バンクのディスクドライブ用の SCSI ID
- 上側: 0-5
- 下側: 8-13 (出荷時の設定)
3. ドライブの遠隔起動
- 上側: SCSI コマンドを待つ (出荷時の設定)
- 下側: スイッチ 4 を確認
4. ドライブの遅延起動
- 上側: (12 × SCSI デバイスの ID 番号) 秒遅延して起動 (出荷時の設定)
- 下側: 電源投入時に起動
5. (機能なし)
背面側の LED
以下は Netra st D1000 システムの背面側の LED についての簡単な説明です。各 LED の詳細、および LED の色に応じてとるべき処置については、第 6 章を参照してください。
Netra st D1000 コントローラには、以下の 2 個の単色 LED があります。
Netra st A1000 システムの背面側には、コントローラ LED のほかにも以下の LED があります。
電源装置
Netra st D1000 システムには、ホットプラグ交換 (使用中の交換) が可能な電源装置が 2 つ備わっています。これらの電源装置は冗長電源装置であり、一方の電源装置に障害が発生しても、もう一方の電源装置がシステムに電力を供給し続けます。どちらの電源装置も取り外し可能な装置であり、システム背面にある 2 つのスロットのうち、いずれか一方に挿入して取り付けます。電源装置は、ロックハンドル、電源状態 LED、AC 電源コードコネクタを装備しています。DC 構成の電源装置は、DC -48 V 入力電圧を DC 電圧に変換します。Netra st システムの DC 構成についての詳細は、『Netra st A1000 および Netra st D1000 ご使用にあたって』を参照してください。
AC 構成の電源装置は、AC 入力電圧を DC 電圧に変換します。図 1-11 に AC 構成の Netra st D1000 を示します。
冷却システム
Netra st D1000 システムには、冷却装置が 2 つ備わっており、各装置にファンが 2 つずつ付いています。冷却装置は、ホットプラグ交換が可能です。 Netra st D1000 システムでは、4 つのファンのうち 3 つが機能すれば、十分な冷却風が供給されます。ファンが 2 つ故障しても、残りの 2 つのファンでシステムを 30℃の環境に維持できますが、部品の信頼性は低下する恐れがあります。 ファンの回転速度は可変であり、ファンの 1 つが故障した場合や内部温度が上昇したときなど、回転速度を上げて冷却状況の異常に対応します。
注意 -1 つでも装着されていない冗長モジュールがあるときは、システムを長時間動作させないでください。冷却システムの効率が悪くなります。
冷却のための条件は、以下のとおりです。
- システムに十分な空気が流れるようにしてください。内蔵ファンの通風量は、システム内に通風の妨げとなるものがない場合で最大 150 cfm です。
- 空気は格納装置の正面から取り入れられ、背面から排出されます(図 1-5)。
- 空気取り入れ部と排出部には、それぞれ少なくとも 200 cm の空間を確保してください。
- 十分な通風を維持するため、エアフィルタは少なくとも 6 か月に 1 回交換してください。交換方法は、「エアフィルタを交換する」を参照してください。
- 通風条件は、開放型のラックシステムか密閉型のラックシステムかによって異なります。図 1-6 に開放型ラックシステムの通風条件を、図 1-7 に密閉型ラックシステムの通風条件を示します。
ディスクドライブ
システムに装着されているドライブ固有の情報については、システムに付属のマニュアルを参照してください。
ディスクドライブへの SCSI ID の割り当て
各ドライブベイには固有の SCSI ID が割り当てられます。各ドライブベイのドライブの SCSI IDは、オプションスイッチが 1 か 2 かによって変わります (「オプションスイッチ」 を参照してください) 。 Netra st D1000では、、UNIX ファイルシステムは各ドライブを以下のように識別します。
- 12 ドライブ構成のシステム (デフォルトのスイッチ設定、t はドライブ番号)
cxt0d0sx, cxt1d0sx, cxt2d0sx, cxt3d0sx, cxt4d0sx, cxt5d0sx および cxt8d0sx, cxt9d0sx, cxt10d0sx, cxt11d0sx, cxt12d0sx, cxt13d0sx
ダミードライブ
お客様のご注文がディスクドライブを最大数 (12 台) まで搭載しないシステム構成であった場合には、空いたスロットにはダミードライブが取り付けられています。ダミードライブがエアバッフルとなって空気の流れを遮断することで、システム内の冷却能力が最大限に保たれます。ディスクドライブが取り付けられていないスロットがある場合には、装置が適切に冷却されるように、ダミードライブを取り付けてください。
Netra st D1000 ソフトウェアでの考慮すべき事柄
Netra st D1000 は、単に既存のホストシステムに対する追加ディスクストレージとして使用することもできます。また、RAID ベースのシステムで Veritas VxVm とともに使用することもできます。システム CD 内の Veritas ソフトウェアのユーザーマニュアルを参照してください。Veritas VxVm のライセンスの取得については、購入先にお問い合わせください。
単一ボックス構成と分割ボックス構成
Netra st D1000 システムには 2 つの構成があります。
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