実際にあった質問など

無線ローミングみたいなものね?
無線ローミングはレイヤー2で行なっているいるため、ネットワークインターフェイスは無線LANしか 使えないが、我々が展示している、Network Mobilityはネットワークレイヤーでの技術ですので、 ネットワークインターフェイスは選びません。
たとえば、無線LANの届くエリアでは無線LANで高速な通信を行ない、エリアから外れると、AirH""や ケータイなどをつかうというようなインターフェイス切替が可能です。

ケータイはなぜ番号が変わらないの?
ケータイはケータイ会社が一括してネットワークを管理している中央集権的なネットワークでできているので、 会社がケータイのアクセスポイントを指定することができたりするので、移動によって電話番号が変わることはない。
一方、インターネットの場合は誰のものでもないネットワークで、誰でも使えるネットワークなので、 IPアドレスを変わることなく、移動するにはこのような技術が必要です。
また、インターネットができた当初のコンピュータとは5トン以下のものはなく、移動を前提としない、 ネットワークが作られたことに起因しています。

IPv6ってはやるんですか?
現在のようなPCがつながっていて、インターネットが構成されているような状態では現状のIPv4で十分では ないかと思いがちですが、我々は、身の回りのコンピュータがインターネットにつながることで価値を もつようになると考えています。PC以外のコンピュータが次々にインターネットに接続されるようになると 現行のIPv4ではIPアドレスという識別子が足りなくなることが予想されます。
また、自動車には、ユーザが持ち込んだPCやPDAの他に、車載カメラや車載センサなどのたくさんのコンピュータの 集合体です。たとえば、ブレーキセンサ、ステアリングセンサ、温度センサ、湿度センサ、ジャイロセンサ、 加速度センサなどが考えられています。
自動車がインターネットにつながる世界はIPv6が必須だと考えています。

この技術はどんなことに使えますか?自動車特有のアプリケーションなどありますか?
我々が今展示しているNetwork Mobilityという技術はアプリケーションを選びません。 この技術は自動車にオフィスのようなインターネット接続性を提供します。いいかえると、オフィスで動く アプリケーションはすべて自動車でも動くようようになります。
またこの技術は動く物体がたとえ自動車でなくても、オフィスにいるようにインターネットに接続することが できるようになります。

今、自動車にこの技術を載せたら、満足に使えますか?
満足にというレベルにもよると思いますが、このMobile Routerを自動車に搭載すると実際に使えます。 道路わきやガソリンスタンドなどにフリーの無線LANの環境がふえてこれば、より快適に通信をすることが できます。現在は、そのような場所は少ないので、通信はAirH""やケータイに頼っています。 このMobile Routerは実際に自動車に搭載して実験を行なっていて、2003年現在は1500台に自動車に搭載されています。

ネットワークが切り替わる際、どれぐらい通信が途切れますか?
現在、5秒ぐらいかかります。今後の研究でその時間を縮めることができると考えています。

動画が途切れる時間が長いのが残念ですね?
途切れる時間をなくすことはできると考えています。たとえば、ネットワークをうつる前に 動画の10秒後ぐらいまでのデータを入手しておいて、通信が途切れている時間はそのキャッシュを 使うことで、完全に途切れのない動画を流すことができます。

無線LANのポイントが道路脇にできて来ないと実現できないのですか?
今展示しているNetwork Mobilityという技術はインターネットに接続するためのインターフェイスを選ばないので 無線LAN以外のデバイスでも通信を行なうことができます。現在はAirH""やケータイを使うことができます。
また、この技術は新しいデバイスが登場しても、そのデバイスがインターネットへの接続さえ行なってくれれば、 問題なく使えます。
また、それらのインターフェイスを切替えながら使うことも可能です。

フリーの無線LANを設置する人はどのようなメリットがあるんですか?
無線LANを設置するコストはかなり低くなっています。機器を買うのには2万円ほどで買えます。 機器を設置するとその場所には自動車が集まるような状況になれば、設置する人がメリットを見込むことも できるようになるのではないかと考えています。

運転者はインターネットなんて使えませんよね?
インターネットにはwebブラウジングなどの用途のほかに、音楽のダウンロードや、動画のダウンロードという ような、使い方もあります。また、同乗者が自由にインターネットに接続できるのは便利だと考えています。
また、この技術はバスや電車のような搭乗者がくつろげるような乗物にも使えるので、そのような用途もあると考えています。

有用なのはわかりましたが、実際にどのようにそれを実現しているのですか?
まず、自動車に搭載されているノードにアクセスしたいノードはHome Agentと呼ばれるノードにアクセスします。 Home Agentは自動車にアクセスしたいノードの通信をすべて受け付けます。その後、Home Agentは自動車に通信を 横流しします。自動車はHome Agentに常に自分の識別子を報告しているので、Home Agentは通信の転送が可能です。

ネットワークの切替の際、データが途切れていましたが、そのデータはどうなるのですか?
動画のデータなど5秒後に到達したとしても、使い用のないデータは途切れた際に、捨てられてしまいます。 また、メールのように一文字ないだけで困ってしまうようなアプリケーションの時には届いていないデータを もう一度送って下さいと、申請することで再送が行なわれます。

自動車がオフィスになってどうするんですかね?自動車でまで仕事したくないよ。
われわれはの基本的な考え方として、自動車の中の空間というのはとても楽しいものだと考えています。 そのような、エンターテイメントとしての空間にインターネットの接続性がないのはとても、残念なことだと 考えています。自動車のなかで必要な、情報を得られて、聞きたい音楽を聞けたり、みたい映像をみれることは 嬉しいことだと考えています。
また、自動車がインターネットに接続することでインターネット上には自動車のもつ情報が登ってくることになります。 自動車は、車載カメラ、ブレーキセンサ、ステアリングセンサ、温度センサ、ワイパーセンサなどのコンピュータの 集合体だと考えていますが、それらの情報がインターネットにつながることで有効に使うことができると考えています。 たとえば、たくさんワイパーが動いている地域は雨が降っている、だとか、急ブレーキをたくさん踏まれる地域は 危ない地域なのかも知れません。このように、これまで自動車がもっていた情報で、使われないで捨てられていた情報が 有用に活用できるようになります。