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夢の都のおはなし 2 (暫定版)


本当の「都会者」とは?

田舎者であることを忘れず しかし真の洗練とともに生きる
他者に負担をかけることなく 自身の欲するところを済す

つまり「コスモポリタン」でしょう

しかし 本当にコスモポリタンであるためには 上記の定義によれば
定住して働くことも 戦いに勝ち 統治することもできません

つまり 童話の世界には幾らでも住んでいるけれど
現実の世界では 普通に考えて不可能な訳です


ところが19世紀
鉄道の発達によって(物理的には)誰でも都市間の移動が瞬時に出来ることになり
さらに産業革命や植民地の拡大によっておこった冨の集中は
こういった存在が出現する可能性を孕むかに思われていたのではないでしょうか


コスモポリタン幻想ですな
そしてその幻と戦った つまりそんな不届きにして幸福な存在が発生しえない社会 を目指したのが
共産主義革命だったのではないか なんて思ったりして

そしてワタシとて こういう幻の存在に憧れや羨望を強く持った時期はあります

しかし 思うに 結局こういう方は 御話の中以外に存在しえなかったのではないかと
だって 幾ら金があって自由でも 全く社会に属すことなく渡り歩くなんてこと できるのかしら



このコスモポリタン幻想 漱石/鴎外を始めとする留学生によって 我が国にも もたらされかけました
かけました と書いたのは 前者は正気を削り胃を病み 後者は一生自らの恋愛を禁ずる羽目になったわけですから
きっと 当時の日本人には刺激が強すぎたんでしょう

いや この時代から日本人のメンタリティーが大きくは変化していないことを思えば
未だ我々は そこに至ってないのかもしれんなぁ


オレ? オレは とりあえず旅から旅のコスモポリタン労働者を目指しとるんですがね
でも 住処も 車も 女達も 諦められないんだな これが...




at Paris 10/25/2002

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