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10/09/2002

パリの朝 プラットホームに隣接したカフェです

昨日Pau から乗った列車では やけに話し好きのバスクの老人と乗りあわせました

国はどこだね? スペインか?イタリア?ベトナム?中国?チェコ?うーんドイツか?
知ってる限りの国名を挙げている模様です
あー日本か で お前の名前は と訊かれたので紙に書いてあげました

おおこりゃ日本語か皆に見せるぞうん家でだ あぁわしの家で見せる うんうんそうか日本かジャポン! と大騒ぎ
日本と中国 ベトナム インドシナは同じ国だろ? ん 違うのかそうか日本とベトナムは違うか...
ジャポン.... あー...!
(一人うなずき15秒経過)
で!この名はフランス語だとなんだ?ポールか?マルクか? 違う?...じゃあジョルジュだな そうだろ?
(keigo のgを差し) これは「g(ジュ)」だろ ほーらジョルジュだ!

むぅ 聖人起源ではない名が存在することも
表意文字という概念も この爺さんに理解させるのはまず不可能です
ワタシは彼の家人に ジョルジュという日本人として知られることになるでしょう

列車が小さな駅に停まると盛んに何か言っています ルルドだぞルルドお前はルルドに行ったのか? と

調べてみるとこの村 Lourdes は 少女が聖母マリアに出会い
その場所から聖水が湧き出したという伝説を持つ所だそうで
今も年間二百万人(!)が奇蹟の水を戴きに詣でるそうです

オイラも頭から浴びてくればよかったかな

ベレー帽の老人は 次の駅で僕に握手を求めると 達者でな! と(たぶん)言い降りてゆきました



いま早朝の空気の中で思い直すと
我々の仕事も まだ見ぬ何かを探す巡礼者のようなもの なのかもしれません


カフェオレもすっかり冷めて 空が白んできました
さあ行こう次の聖地へ 靴の紐を結びなおして


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