Toulouse にて（抄）

ネットカフェですが　なかなか見つからなかったんです
エアバス社のお膝元だけあって　かなり大きな街だとは分かっていたので
藁しべ長者方式を採りました

鉄道駅の手荷物預かりのお兄ちゃんから始まって
インターネットカフェはある？　と訊きまくります

曰く　Pl. Capitalの方にあるよ　と
で　その方角のＰＣショップで訊き　カフェの若者に尋ね
小さなネットカフェでもっと大きなところを教わり
４件目にしてマシン持ち込みＯＫだった訳です

そんなこんなでまたもや歩き疲れ　南へ向うそもそもの目的となった Cassoulet Toulouse を食いに
この町特産のソーセージ（その名もToulouse）と白インゲンのこってりした煮込み料理です

結果からに言うと　失敗でした　不味くはなかったんですがね...
探しても　駅そばにありがちな高くて無愛想な食堂にしかなく

＃奥にいた地元の集団（30代から50代殆ど男性15名程）
＃ワインが回ってきて一人が歌い始めました　妙にかわいい曲　なーんか聴いたことあるぞ
＃ついには全員が合唱し始めたこの唄　なんとカリメロの主題歌でした
＃なーんだったんだろうこのおっさん達は？？？

...15ユーロもふんだくられました
満足度はマック以下ですから当然チップはなし　釣り銭全部回収！

しかし考えてみれば　名物とは言え　半袖Ｔシャツの気候の下　なべ物を探すのは無謀だったかもね
夏の東京駅前で美味いふろ吹き大根を食わせろと言って回る外人　のような存在だったのかも知れません

さて　明日の朝飯を探しに脇道へ

んー？　いい匂い...　パン屋発見！　しばし観察　小奇麗　適度に上機嫌なおやじ　地元の客数人
あ　車で買いに来る人まで
うーん大当たりー

酸っぱい林檎ジャムのたっぷり入ったドーナツ（味見のつもりが　全部食べちゃった...）
トゥールーズ・ソーセージのパイ包み（ここではこいつをHot Dog と呼ぶらしい）
あー　あとチョコパイと　みんな買ってたバゲットもね

まだ暖かく香ばしいバゲットをぱりぱり齧りながら駅と思しき方角に歩きます

と
ずっと先まで真っ暗な通りには怪しげなバーとSEX Shop の暗い蛍光色のネオンが数軒
塵芥と埃の匂い　靴音をさせ　見るからに地回りの兄さん

きちんと撫付けた濃い色の髪　スーツのポケットに手を入れ立ち話するその姿　まんまFilm Noir

ここは背を伸し礼儀正しく

親分さん失礼しますぜ　てな感じで挨拶すると（ホントかよ？）
口元だけ微笑み　こいつは失敬旅のお方...　

Merci bien, Monsieur.（※）

冷汗が脇を伝う　彼らの視線を背に受けながら　暗く狭い角を折れる


あり　見当違いの場所だ...
やってきた労務者風のおじさん二人に「駅はどっちでしょっかね？」
「駅ィ？　駅って鉄道のかい？」
「当たり前ですよ」　二人顔を見合わせ「そこそこ　それだよ」ひゃーもう目の前でしたです　あーMerci, Marci...
あわててバゲットを落とす！　信号待ちしてた母子連れのかわいらしい娘さんが拾ってくれました　うゎーMerci, Marci...

うー　汗かいた...




※Merci bien, Monsieur. 　ずーっと前タクシーの運ちゃんに教わった　ちょっとくだけた言い方なのだ


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