一般入試組の批判

 学生担当や私自身に直接寄せられた批判も数多くあったが、主としてこれはメイルの形で展開された。

 小学校から学習塾に通い、一流進学校に入って受験勉強にあけくれ、浪人したりもして、ようやく慶應義塾大学に入学したと思ったら、一芸・一能を理由に高校3年生の夏前に入学が決まってしまった友達が、情報処理やインテンシブのクラスに何人もいる。幼稚舎からのほほんと上にあがってきたような誤解を受ける連中もいる。しかも彼らが「おれAO、塾内進学だから、英語は…」などと、英語が出来ないのをなかば自慢にしていると、これは腹が立つ。自分たちの受験勉強はいったい何だったのかと思いたくもなる。

 一方、故郷では見たことがないような異様なスタイルでガムをクチャクチャやりながら、「ヘイ!」などと言っては同じグループと英語で話している連中を見ると、「お前ら日本人だろう、だったら日本語で話せよ」と言いたくもなる。

 彼らから私が連日のように訴えられた苦情は、「先生、SFCって、ディズニーランドなのですか」だった。

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