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先週末のモンツァでのGP後、遂に、F1ドライバーのミハエル・シューマッハが引退会見を行った。

実に輝かしい戦績である。現時点で、ドライバーズタイトルは7回。あのファンジオの5回を抜いての歴代1位。コンストラクターズも共に7回を記録している。勝利数もプロストの51勝を遥かに超える90勝、ポールポジションはセナの65回を抜いて68回、ファステストラップも75回。獲得ポイントは1354ポイントにものぼる。ポイントを剥奪されたシーズンもあるのだから、この数字は驚異的。出走247戦で90勝であるから、勝率は3割6分。3回に1回は「勝てる」ドライバなのだ。

セナ、プロスト、マンセル無き後のF1を支えてきた偉大なドライバ。同時期にデーモン・ヒルやハッキネン、ビルニューブ等、ワールドチャンピオンを獲得したドライバは他にもいたが、真のライバルはいなかった。唯一、それとなり得る存在であったセナは、強者のまま駆け抜けていってしまった。批判も多かった。そうした雑音を、勝利でねじ伏せてきた。

常勝の状態でやめることも出来ただろうに、あえて後進のドライバ達と渡り合い、昨年は一度敗れはしたものの、衰えない力を見せつけた上で、堂々とした引退発表。F1というスポーツの牽引者という使命を果たしている裏には、やはり自分の前を走ったまま逝ってしまったセナへの憧れと嫉妬、それに悔しさもあるのだろうか。

イタリアグランプリ、チャンピオンシップポイントで12ポイントの差。ワールドチャンピオンを獲得するためにはまさに正念場。負けられないレース。

勝利を望まれている状況で、望まれた勝利を獲る。
この実力、この強さ。

マンセル、プロスト、セナらの偉大なドライバと同じく、シューマッハの走りをリアルタイムで見られたことを誇りに思う。彼は本当に、強くて、偉大な王者である。

コメント (2)

mitsuya:

徳大寺さんは言いました。

「私はアイルトン・セナが名ドライバーだとは思っていません。名ドライバーは死なないものです。」


シューマッハの評価は、あと3戦後にしましょう!

saikawa:

さすが徳大寺さん。発言が重いなぁ。思わず一緒に走りたくなっちゃうね(笑)。
確かに、ミハエルにはあと3つレースが残っている。マンセルやプロストのようにワールドチャンピオンになって引退するか、注目です。

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2006年09月14日 15:00に投稿されたエントリーのページです。

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