Previous Next Contents Generated Index


第 5 章

ディスクドライブの増設




この章では、オペレーティングシステムを稼働させたままディスクドライブを交換する際の、システムの設定方法について説明します。 ディスクドライブを増設する方法は、使用しているアプリケーションによって異なります。新しいディスクを増設する場所を決めてから、操作環境を再設定しなければなりません。設定方法もアプリケーションによって異なります。 ただし、どのアプリケーションでも、スロットを選択しディスクドライブを物理的に設置してから、Solaris 環境を設定しなければなりません。最後に、新規ディスクドライブを認識するようにアプリケーションを設定します。


ディスクドライブの取り付け


注意 -
上記の操作を実行できるのは、システム管理者だけです。稼働中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を実施すると、データの損失や破壊を招く可能性があります。

 

新しいディスクドライブ用スロットの選択

新しいディスクドライブが利用できる Netra st システムのスロットを選択します。ソフトウェア環境を設定するときに参照するために、どのスロットを選択したか記録しておきます。

 

ディスクドライブの増設

  1. シャーシの正面ドアを、ロックを解除して開きます。
    正面パネルの 2 個の開閉ボタンを 1/4 ほど回転させてゆるめ、ドアを手前に開きます (図 5-1)。

    図 5-1 ディスクドライブの追加または交換

  2. ダミードライブを取り外します。
    ダミードライブは、将来使用できるように安全な場所に保管しておきます。
  3. ディスクドライブのロッキングハンドルを開きます。
    矢印の方向に押し下げて、ラッチを外します (図 5-1)。
  4. 交換用ディスクドライブを空きスロットに挿入します。
  5. ロックハンドルがかみ合うまで、ドライブをゆっくりと押し込みます。
  6. ロックハンドルを静かに押し下げ、完全に閉じます。

注 - ドライブが正しく装着されると、自動的にドライブの定常回転が始まります。
ドライブ ID の割り当てについての詳細は、第 1 章を参照してください。


ソフトウェアの設定

システムにディスクドライブを取り付けたら、ソフトウェアの設定を行います。設定手順は、Netra st A1000 と Netra st D1000 で異なります。

Netra st A1000 システム

RAID Manager 6.1.1 ソフトウェアを使用して、Netra st A1000 システムのディスクドライブの設定と管理を行います。手順は、RAID Manager 6.1.1 ソフトウェアに付属のマニュアルを参照してください。


Netra st D1000 システム


Solaris 環境の設定

ドライブのための新しいデバイスエントリが、 /devices
/dev/dsk/dev/rdsk 階層に必要になります。ドライブを設置したスロットに関連づけて、新しいドライブに名前を割り当てます。

 

ディスクドライブの増設

差動型 SCSI ホストアダプタに装着されたディスクの命名規則は 、cwtxdyszです。
  w ご使用のシステムのコントローラ
x Netra st D1000 のディスクスロット
y ディスクドライブの論理ユニット (常に 0)
z ディスクのスライス (またはパーティション)
たとえば、Netra st D1000 がコントローラ c2 に相当する 差動型 SCSI ホストアダプタに接続されていて、Netra st D1000 システムの 5 番目のスロットにドライブを取り付けた場合は、/dev/dsk/c2t4d0s[0-7] および /dev/rdsk/c2t4d0s[0-7]のようになります。
  1. 新しいデバイスを追加するには、drvconfig および disks コマンドを使用してください。
     
    # drvconfig
    
     
    # disks
    

  2. 新しいディスクが追加されたことを確認します。
     
    # ls -l /dev/dsk/c1t4d0s*
    

    c1t4d0s* は、5 番目のスロットのある新しいドライブのためのデバイス名です。

これで新しいディスクドライブが、ブロックデバイスまたはキャラクタデバイスとして利用可能になりました。詳細は、マニュアルページの sd(7) を参照してください。

アプリケーションでの新しいディスクドライブの設定

アプリケーションで使用できるように、ディスクを設定します。次の章を参考にしてください。

注意 -
上記の操作を実行できるのは、システム管理者だけです。稼働中のディスクドライブに対してホットプラグ操作を実施すると、データの損失や破壊を招く可能性があります。

 

UNIX ファイルシステム (UFS)での新しいディスクの設定

UNIX ファイルシステム (UFS)で使用するディスクにスライス (単一の物理パーティション) を設定する場合は、以下の手順に従ってください。VxVM ディスクにファイルシステムを追加する場合は、アプリケーションに付属のマニュアルを参照してください。
  1. デバイスラベルが必要条件を満たしているかどうかを確認します。
    prtvtoc コマンドを使用すれば、ディスクのラベルを確認できます。ラベルを変更するときは、format コマンドを使用します。詳細は、マニュアルページの prtvtoc(1M) および format(1M) を参照してください。
  2. UFS 用のディスクスライスを選択したら、そのスライス上にファイルシステムを作成します。
     
    # newfs /dev/rdsk/cwtxdysz
    

    詳細は、マニュアルページの newfs(1M) を参照してください。

  3. 必要に応じて、新しいファイルシステムのマウントポイントを作成します。
     
    # mkdir マウントポイント
    
     

    マウントポイントは、フルパス名でなくてはなりません。 詳細は、マニュアルページの mount(1M) を参照してください。

  4. ファイルシステムとマウントポイントを作成したら/etc/vfstab ファイルを変更して、新しいファイルシステムに対応させます。 詳細は、マニュアルページの vfstab(4) を参照してください。
  5. mount コマンドを使用して、新しいファイルシステムをマウントします。
     
    # mount マウントポイント
    
     

    マウントポイントは、作成済みのディレクトリです。

これでファイルシステムが使用可能になりました。

 

Netra st D1000 Volume Manager ディスク群への新しいデバイスの追加

新しいデバイスを Volume Manager ディスク群 (VxVM) で使用するには、以下の手続きに従ってください。
  1. VxVM がディスクドライブを認識できるよう設定します。
     
    # vxdctl enable
    

  2. VxVM ディスク群に新しくディスクを追加するには、以下のコマンドを実行します。
     
    # vxdiskadd cwtxdysz
    

      cwtxdysz は、新しいディスクです。

詳細は、マニュアルページの vxdiskadd(1M) を参照してください。

これでディスクを VxVM の新しいボリュームの一部として使用したり、既存のボリュームのプレックスとして追加したり、既存のボリュームを増やしたりする準備ができました。


Previous Next Contents Generated Index

Copyright © 1998 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved.