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All I Ask of You - The Phantom Of The Opera

Say you'll share with me one love, one lifetime ...
Lead me, save me from my solitude ...

Anywhere you go let me go too.
Christine, that's all I ask of you

待ちに待った、映画版「The Phantom Of The Opera」。公開初日に万難を排して見にいった。誰もが有名なOvertureのフレーズには聞き覚えがある、”あれ”である。これまでにミュージカル版は4回くらい見ていて、もうすっかりPhantom様の虜であったため、アンドリュー・ロイド・ウェバー(ミュージカルの作曲家、英国貴族(Lord)である)の楽曲で完全映画化という話を聞き、それこそ「地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に憧れる」思いで恋焦がれていたのである(一部、誇張あり)。

一応、軽くストーリラインに触れておくと、1870年代のパリ・オペラ座が舞台。オペラ座の看板スター、カルロッタは、気性の激しさ故、度重なる事故(オペラ座の関係者は「ファントムの仕業」と噂する)に気分を害して主役を降板してしまう。公演に穴が開くと心配していた支配人達は、コーラスダンサーのクリスティーヌが代役を務められると聞き、ためしに歌わせてみると、彼女は完璧な歌声を披露する。若く美しいプリマドンナ、クリスティーヌは一躍スターに。しかし、それは若くして父を亡くしたクリスティーヌに、天国の父が遣わした「音楽の天使」の指導あってのものだった。その姿をクリスティーヌは見たことが無い。
公演を見たクリスティーヌの幼馴染、ラウールは一目でクリスティーヌに惹かれるが、その恋を許さない「音楽の天使」は、初めてクリスティーヌの前に姿を表し、クリスティーヌをオペラ座の地下にいざなう。この「音楽の天使」こそ、「The Phantom Of The Opera」なのだ(じゃじゃーん)。

醜い顔を仮面に隠し、天才的な音楽の才能と狂気を内包するPhantom様は、若いオペラ座のパトロン、美男子ラウールと、クリスティーヌが永遠の愛を誓う姿を見て、激しい憎悪に身を焦がす。かくして、壮大で、美しくもはかない悲劇の幕が上がるのである。

と、もちろんストーリもとても魅力的。とりわけ、ホラー小説タッチであったルルーの原作を、容姿ゆえに一度も愛されることがなかったPhantom様の苦悩を軸にした恋愛物に仕立て上げたウェバーの手腕は見事というしかない。

あまりにミュージカルが完璧だったために、「大丈夫か?映画は。」と少し不安だったのも事実。しかし、まったくの杞憂だった。

音楽が、素晴らしい。

基本的に舞台と同じ展開、同じ音楽なので、もう最初からグッとくるポイントが多すぎる。悲しげに「Masquerade」を響かせるサルのオルゴールを見て呟く老体のラウール、そして例の”シャンデリア”。
オークショニアの「gentlemen?」の声とともに響く、例のメインテーマ(じゃーん、じゃじゃじゃじゃじゃーん)。もうここまでで一回泣ける(まだオープニングである)。

俳優陣の魅力、歌唱力も素晴らしい。特に、Phantom様のジェラルド・バトラーは、怪しくも官能的な魅力を振りまいている。ラウールのパトリック・ウィルソンも美男子。舞台よりもアクションシーンが豊富で、若く力に満ちたラウールである。クリスティーヌ役のエミー・ロッサムはまだ18歳。驚き。

魅力的なシーンは多々あるが、胸に響くのは「All I Ask Of You」。ラウールとクリスティーヌが歌うシーンも素晴らしいが、やはり本命はPhantom様がクリスティーヌに歌うところ。「The Point of No Return」の主旋律から遷移する部分は感動的。その歌詞が、冒頭の一説である。

登場人物総出演で展開される「Masquerade」は、豪華絢爛。劇中に使われる曲の主旋律がモチーフとして現れながら段々盛り上がっていく様は、映像美と併せて非常に見ごたえがある。

そして、ラストシーン。劇中で最も切なく、最も美しい「Christine, I love you ..」の台詞と、 Phantom様の歌が地底湖に響き渡る。

You alone can make my song take flight
It's over now: The Music of the Night

素晴らしい作品である。視覚と、聴覚と、心で感じて頂きたい。

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コメント (3)

いずみ:

私も観ました。もちろん初日。レイトショウで :)。
ミュージカルの方が迫力あるかも、と思うシーンもありましたが、舞台では実現できない映像で惹きこまれるovertureや地下水路、その後のMusic of the night、ゴージャスなMasquerade、迫力のある決闘シーン、情熱的な Past the point of no return、吹き替えなしで演じる俳優陣...よかったです。

それにしても、映画の決闘シーンでは、ラウルが予想以上に強かったですね。雪の墓地に"白馬"で駆けつけ、クリスティーヌを連れ帰るべくファントムと決闘(もちろん勝利)。そのカッコよさったら! ファントムでなくても "So be it! Now let it be war upon you both!" って思うよ…。

ソガベリョウ:

わたくしも昨日観ました。

ここまで細かく説明している犀川氏?の手前、非常に恐縮ですが、全く話知りませんでした。

が、この映画はよかったです。
音楽もいいし、これならDVD買ってもいいなと。

余談ですが、ようやく「冬」も読み終えました。
むぅ。

こくりゅ:

 歌唱力について、とくにジェラルドの歌にがっかりされてる人が多いようですが、私はすごく好きです。あのセクシーな声は飽きません。ラストシーン、私ならファントムを選んじゃいます。ラウルには、ほとんど思い入れができませんでした。
 
 DVD欲しいです。
あと、CDの歌詞がどこかにないでしょうか。

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2005年01月30日 12:01に投稿されたエントリーのページです。

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