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負けるときには、美しく。

欧州サッカー、チャンピオンズリーグの準決勝「PSV - ACミラン」を観戦した。

結果は1?3でPSVが勝ったのだが、前戦ACミランのホームゲームではACミランが2-0で勝利していたため、勝ち点、通算ゴール数は同点となったものの、アウェーゴールルール(アウェーでのゴールはホームの得点よりも重みがある)によってACミランの決勝進出が決まった。

しかし、素晴らしかったのはPSVのサッカーである。ミランファンだが、PSVは本当に勝利に値するサッカー、プレーを見せた。あの堅守を誇るミランから(たとえ連戦の疲労があったとしても)3点を奪った得点力、そして何よりも選手の統制のとれたプレッシングと豊富な運動量は、王者ミランを十分に苦しめた。特に、痛恨のアウェーゴールを奪われた直後、1点取り返したシーンは素晴らしい。コクーは斜め後ろから上がったセンタリングをアウトで合わせて絶妙な弧をゴールに掛けたのである。狙っても100回に1回出来るか出来ないかというスーパープレーを、あの大舞台で、あの失点の直後、敗戦濃厚な時にやってのけるのだから、さすがである。チャンピオンズリーグに相応しい。

一方でACミラン。終始試合のペースを相手に握られながらも、最後の一線は越えずに守り抜き、最後にはロスタイムに、この試合唯一の得点機にものの見事に値千金のゴールを決める勝負強さ。これはこれで堂々としたものであるが、決勝に向けて建て直しが必要である。シェフチェンコに輝きが戻らないと、ビックイヤーの獲得は難しいかもしれない。

この試合を観戦した後、ある言葉を思い出した。PSVの地元であるオランダのスーパースター、ヨハン・クライフの言葉。「勝つときには汚くても良いが、負けるときには美しく」。

PSVはまさにクライフの言葉を体現する、最高に美しい敗者であった。
負けるときには美しく。人生もこうありたい。
もちろん、勝つに越したことは無い。

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2005年05月05日 16:14に投稿されたエントリーのページです。

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