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甲子園なんてものは、

ひょんなことから、あだち充の名作「タッチ」を再読。有名な作品であり、何度も読んでいるのだが、何回読んでも面白い。
特に、上杉達也が3年生になってからの甲子園地区予選大会の試合を重ねる毎に高まる緊張感と、その頂点であり、宿命のライバルの新田君率いる須見工戦は珠玉の出来。王道中の王道の展開であるが、もう、あまりの緊迫感と盛り上がりに鳥肌が立つ。

そして、緊張の極限状態から結果が決まった瞬間、プールサイドのシーンがカットインされ、そこのラジオから試合結果が流れる。見事な動から静。主観から客観。漫画という表現のすばらしさ。

その後、須見工の監督から語られる言葉は、深い。

「甲子園なんてものは、ただの副賞だったんだよな。
その副賞に目がくらんで、
相手のスキをついたり だましたり 勝負を逃げたり、
そんなことばかりエスカレートされたんじゃ、
教育者のはしくれとして
心が痛い。」

やはり、名作はいつまでも色褪せない。

コメント (2)

「タッチ」、やっぱり重いですね。それ以外も、あだち作品は漫画の王道的に重いエピソードが多いのですが、なかでも。
時々出る音のないコマは、そういうことはあるな、と思ってしまって、リアリティあります。

saikawa:

「タッチ」は、スポーツ漫画としても、青春漫画としても、恋愛漫画としても、どんな読み方をしても一流なのが凄いです。

捨てコマで作品を活かす技術が巨匠ですね。

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2006年06月07日 01:44に投稿されたエントリーのページです。

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