ついに、やっと見ることが出来た「時をかける少女」。
噂に違わず、期待に違わず、素晴らしい出来であった。
原作を尊重した上で、新しい解釈を加えて大胆に構築された完全新作だったが、原作が持つSFとしての面白さや高校生の多感な感情、そして切なさが描き切られていた。
まさに現代版の「時をかける少女」。
高校生の少女と、二人の男友達である同級生、三人でやる野球。どこまでも高い青空と雲。坂の多い街。踏み切りのある商店街。
何の変哲も無い日常が、タイムリープという能力によって、少しづつ変わっていく。変化は、むしろ原作よりも丹念に描かれ、登場人物達の高校生活と成長を、スクリーン越しに追体験できる。
まだ見ていない人に是非見て欲しい。日本映画の、青春映画の最高峰の一つだと思う。
「青春はいつも、時をかける」。終わらない夏の終わりを描いた名作。