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虹とひとと

夏が終わっていくような気候。

叢は露の雫にまだ濡れて 蜘蛛の念珠も光つてゐた
東の空には ゆるやかな虹がかかつてゐた
僕らはだまつて立つてゐた 黙つて!

ああ何もかもあのままだ おまへはそのとき
僕を見上げてゐた 僕には何もすることがなかつたから

(僕はおまへを愛してゐたのに)
(おまへは僕を愛してゐたのに)

大好きな立原道造の「虹とひとと」。第1回中原中也賞を受賞し、23歳で夭折した。見舞いに来た友達に言った「五月のそよ風をゼリーにして持って来て下さい」という言葉まで、繊細にして鮮やか。

r_and_h.jpg
"Going Away"
Leica C-LUX1
aobadai, Yokohama/Japan

コメント (2)

夏は、エネルギーがありますから、時間が早いですね。
だから、普段よりも生と成長と衰退と死の絶対数が多くてわかりやすいのでしょう。
晩夏の夕暮れは、だから世界が切ない。
立原道造お好きなのですね。夭折しないでいてくれたらという詩人は本当に多いです。

saikawa:

夏は、季節自体が既に切なさを感じさせますからね。立原道造は言葉選びの感覚が好きなんです。危うげな感じとか、予定調和的な終わりの予感とか。

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2006年08月24日 22:27に投稿されたエントリーのページです。

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