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Camera, Camera, Camera

「でもほおづえついて僕を見て ちょっと唇とがらせて このままでいたいと僕は思うから」(フリッパーズギター「カメラ!カメラ!カメラ!」より)

基本的に、精密機械が好きである。それもクラシックで、贅沢で、薀蓄の多いものが。そういう機械は、見た目も美しく、オーラを発している。性能が良い方が美しい。機能が優れている方が美しい。あるいは、美しいから性能が優れているのかもしれない。または、美しいという事が機能なのかもしれない。

カメラは好きである。特にマニュアル機が好きである。何が良いって、なかなか上手く写らないのが良い。狙った通りの写真が撮れると、自惚れられるのが良い。そして思いもしない写真が撮れているのが良い。

でも、何よりも、あのシャッターの音が良い。撮影した後の巻き上げの感触も捨て難い。

修士の学生の時に、人生において三度目のカメラブームが来た。その際に買った愛機、オリンパスpen fは、もう、ちょっと、凄いのだ。

まず、古い。ものすごく、古い。1963年のカメラである。カメラの方が10歳年上。でも、非常に、美しい。綺麗。一眼レフなのに上面に突起がない。

そして、35mmのハーフ。24枚撮りで48枚撮れる。だからファインダーを覗くと、普通の位置で縦長の視野。単純に考えると解像度はフルサイズの半分という事だが、現在のフィルムの性能なら十分なクオリティ。最高なのは、音。シャッターの音。カシャ、というカタカナの音がする。空シャッターで十分楽しい。そして、巻き上げ。二回巻き上げである。そう、シャッターを一回押すと、レバーを二回巻き上げるのである。その角度は110度。かなり楽しい。

機械的にも、シャッターはメタルロータリーフォーカルプレーンという、チタン製の半月型円盤を回転させるもので、常にシャッターが全開になる瞬間がある機構を採用している。これは現在のカメラの限界よりも高性能で、全シャッター速度でストロボとのシンクロができる。まあ、基本的にストロボは使わないのだが。レンズも十分に明るく、f1.8。38mmだけれど、通常のカメラに換算すると55mm程度になる。

しかし、やはり動態撮影にはAFの方が良いし、リバーサルの撮影には35mmの一眼レフを使いたくなる。そこで購入したのが、NIKON F801sである。これは、PEN Fの対極ともいえる、電子の要塞。1/8000秒でシャッターが切れ、5点測光システムによって露出もほとんどカメラ任せで良いのである。撮影者は、構図とシャッターチャンスに集中できる、という訳で、だいぶ楽できる。

だからといって、必ずしも良いものが撮れるとは限らないのであるが。

そう、思えば、この第3次カメラブームの時に、今のデジカメ構成の基礎は確立されていたのである。本格一眼レフと、小型(スタイル重視)カメラというフォーメーションが。

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2005年01月19日 00:49に投稿されたエントリーのページです。

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