常日頃から天才と呼ばれている研究室のT君。
やはり彼は天才だった。
お昼ごはんを食べに行った時のこと。車をシャッタが閉まったガレージ前の道路に駐車していたのだが、ご飯を食べ終わって出てきてみると、今まさにガレージが開かんとしているところだった。
おお、これは早く動かさねば。
誰もがそう思ったその時、天才T君は信じられない行動に出たのである。
車の「左側」から乗り込んだのだ。彼の車は普通の国産車(しかもこの時代車)。
そう、助手席である。
いくら慌てても、普通助手席に乗り込むか?しかもT君は一度も左ハンドル車に乗ったことが無いというのに。
乗り込んだT君は、「ハンドルが無い!」と言って慌てて車内を移動していた。
さすが天才。叫ぶ台詞も一味違う。