None But Air
周りには、空気しかない。
何も無い。
命も、死も。
(森博嗣、「ナ・バ・テア」)
森博嗣の作品。もちろん、ハードカバーでも、ノベルスでも持っていて読んでいるので、今回の文庫版で3回目となる。このシリーズはハードカバーの装丁が非常に綺麗で素晴らしいが、今回の文庫版も、なかなかシンプルで好ましい。
作品の内容も良いのだが、今回は、よしもとばなな氏による解説が珠玉。
非常に平易な言葉と文章で、実に複雑で、きらきらとした感情や心理を表現している。
切れ味の鋭い文章、本物の貫禄。こういう美しい文章に触れると、言葉の可能性を感じる。
既読の方も、良ければ是非。