an ace up JUVE's sleeve
ユベントスが8年ぶりに来日。つまり、デルピエロのプレーが日本で見れるチャンスである。デルピエロファン(クラブチームで一番好きなのは”我が”ACミランだが、デルピエロははずせない)にはたまらない企画。しかも場所が横浜国際(ニッサンスタジアム)。運良くチケットも入手出来たので、初めて生のデルピエロとユベントスを見た。
デルピエロはその類稀な容姿と共に、プレーが華麗である。「デルピエロゾーン」から繰り出される美しい弧を描くループシュートや、一瞬の閃きからの信じられないようなトリックプレーはまさに「ファンタジスタ」、イタリアの至宝の面目躍如である。
デルピエロについては、忘れられないゴールがある。確か彼のお父さんが死んでしまった直後の試合。当然大きなショックを受けたデルピエロだが、彼の父がサッカーを大好きだったこと、サッカーをしている彼をとても応援していてくれたことから、出場を決意。ユニフォームに喪章をつけてピッチへ。そして見事にゴールを決めた彼は、人差し指を天に向けて祈りを捧げたのである。
なんと素晴らしい鎮魂歌。見ている方もちょっと胸が熱くなった。本当の「エース」を見た瞬間。
さて、実際の試合の方は、W杯予選の日程の関係もあったものの攻撃陣はデルピエロ、トレセゲ、ネドベドという豪華メンバー。来日直後ではあるものの、随所に光るプレーを見せる。そして、前半42分。
ゴール前の混戦から、一瞬フリーになったデルピエロが、高いバウンドのボールを一度地面に落とし、浮き上がったところで渾身のボレー。ボールは見事にゴールネットを揺する。拳を突き上げるデルピエロ。
観客が期待している状態で、ここ一番で、必ず決める。
まさに”an ace up JUVE's sleeve”。ユーべの切り札。
デルピエロの前の”イタリアの至宝”、ロベルト・バッジョが来日した時にも観戦に行った。その試合でバッジョは2ゴールを決めた。
それが、「本物」の実力なのだろう。