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2005年01月13日

今日のお言葉。

「責任と責任感の違いがわかるかい?」しばらくして、犀川が言う。
「字数が違うわ」萌絵は咄嗟に冗談を言った。 犀川は笑わない。
「押しつけられたものか、そうでないかの違いだ」

大好きな作家の一人、森博嗣の犀川・萌絵シリーズから。強制するのも、されるのも、あまり好きではない。何かに縛られるのも嫌い。

だから、他人のせいにしてはいけないと思う。

2005年01月14日

決戦は金曜日。

本日、朝から晩まで会議・会議・会議。
本当に会議が多い。考える前に、出来ることはたくさんあると思うのだが、なかなかそうは行かないもの。Quicker than the eye。

「伝えたいものは、言葉で言いなさい、それが、どんなに難しくても、それ以外に方法はない」

「何故、役に立たなくちゃあいけないのかってきき返す」「だいたい、役に立たないものの方が楽しいじゃないか。音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。最も役に立たないということが数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。人間だけが役に立たないことを考えるんですからね…。」  (犀川創平「冷たい密室と博士たち」)

そう、面白ければ、良いんだけどね。

勝つことばかり考えている。どうやって負けたら良いのかも、考えなくちゃ。それが名人というものさ  (犀川創平「笑わない数学者」)

と、犀川先生のお言葉にもあるように、最善でなければ、次善の選択肢を常に用意し、準備しておくことが重要。

二人は、数字の11よりも接近した

世の中を変える方法は3つある。現象(現実)を変える、観察方法を変える、そして、常識を変える。常識を変えるというのは、つまり、パラダイムシフトということか。

2005年01月21日

more than words

卒論生、修論生の皆が頑張っている。

特に、卒論生にとっては、自分の意見を他人に伝えるためにこれだけ長い文章をまとめたり、長時間のプレゼンテーションを行う機会であるため、大変な労力とプレッシャであろう。

これまでの人生から得たわずかな知見を述べると、何かを考える時のコツは、「まず何を考えるべきかを考える」ことだろう。何を考えるかを十分に吟味し、正解に近い思考の筋道が発見されたら、問題はほとんど解決されたと思って良い。

とはいっても、当事者になったら、そんなに上手くは行かないことも良く分かっている。最後のコツは、限界だと思っていても、そこから一歩でも前に進む勇気を持つことだ。

ここまでだと思ったときもう一歩ねばれ!それで勝てないような訓練はしてない

終われば、良い経験だ。

2005年01月22日

本日のお言葉。

「目標が決まったら 後はその距離を縮める作業なだけだから」
(おかざき真里「シャッターラブ」)

何かを見失った時は、まず、なにが目標だったかを考える。必要の無い回り道はしなくて良い。何かを失うと何かを手に入れる事があるが、偶然である。何も失わずに手に入れるほうが遥かに優れている。
堂々と、王道を行くべきだ。


「本当に大切なことは一人で考えなきゃいけないんだ」
(おかざき真里「1996年の夏休み」)

そして、本当に大切なことは、他人にはいえない。


「はたちを過ぎたら好きなこと以外しちゃいけないのよ」
(おかざき真里「1996年の夏休み」)

忙しい状態というのは、恥ずかしい。
やりたくないのなら、しなければ良いのだ。そのために大人になったのだから。何時だって、やりたいことに優先順位をつけて、その一番上のことをしているはずなのに、つい言い訳を考えてしまう。やりたくないことをやっていられるほど、暇じゃない。

2005年02月08日

The Better Part of Wisdom

言葉の選び方、というものにこだわっていきたい。

同じ事が伝わる言い回しというのは、確かにたくさんある。「そう私は思う。」と「私はそう思う。」は、おそらく同種の意図が聞き手に伝わるはずだ。

でも、伝わる空気感や想いは、同じだろうか?

コミュニケーションの大きなウエイトを占める「言葉」について、どれだけ気を使うことが出来るか。そこに若干の遊び心と、ちょっとした変化を加えられるか。少しの差に人間性が現れるのではないかと思っている。

そういう意味で、「タイトル」にはとても敏感である。一言で、そのものの持つ本質や、雰囲気までを表現したものに当たると、それだけで得した気分になる。

このblogのタイトルに何度も引用している、レイ・ブラッドベリの作品のタイトル等はかなり傑作が多い。さすが巨匠、言葉の魔術師の異名をとるだけのことはある。さて、心を打つタイトルとしては、大別して以下の5つに分類することが出来る。

1) すぱっと日常系: 普通の日常のシーンを、大胆かつ簡潔に描写しているパターン。
 例:「歓迎と別離」 、「優しく雨ぞ降りしきる」、「とうに夜半を過ぎて」

2) チェンジアップ系: フレーズの中に、ちょっと引っかかる言葉を挿入して余韻を出すパターン。
 例:「メランコリーの妙薬」 、「百万年(ミリオンイヤー)ピクニック」、「A Miracle of Rare Device」

3) ドラマティック系: 短いフレーズの中に、ドラマを詰める。想像を掻き立てるパターン。
 例:「すべての夏をこの一日に」 、「この世の幸福のすべて」 、「二人がここにいる不思議」、「瞬きよりも速く」、

4) 疑問系: 読者に疑問や謎を投げかけ、興味を引くパターン。長いものもある。
 例:「おれたちは滅びてゆくのかもしれない」、「Then Is All Love? It Is, It Is!」、「恐竜のほかに、大きくなったら何になりたい?」 、「語られぬ部分にこそ」

5) 意味不明系: とにかく良く分からないタイトルで、強い印象を残すパターン。
 例:「トランク・レディ」 、「太陽の黄金の林檎」、「いちご色の窓」、「The Kilimanjaro Device」、「全量服用、群集の狂気を阻む薬」


本当は、これに「6) その他」を加えないと集合論的に厳しくなる気もするが、そんなことに着目している人はいないと思うので、割愛する(だったら書かなければ良いのに...)。

中でも、「3) ドラマティック系」にとりわけ弱い。「この世の幸福のすべて」とは、なんと甘美なタイトルか。「この世のすべての幸福」ではなく、先に幸福を持ってくることで、絶妙なニュアンスが生まれている。
「瞬きよりも速く」、”速く”何をするのか、何が起こるのか。想像力を刺激する。原題は「Quicker than the eye」。カッコいい。
そんなわけで、わりと「ジャケット買い」ならぬ、「タイトル買い」をしてしまうことも多い。

偶然、心を揺さぶる言葉に出会えたりすると、本当に嬉しくなるのである。

2005年03月05日

記憶は...

「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

大切な事は、思い出す事。本当に必要なものなら、忘れていても、必ず思い出せる。

2005年03月06日

本日のお歌。

きっとウルトラマンのそれのように
君の背中にはファスナーが付いていて
僕にそれを剥がし取る術はなくても
記憶の中焼き付けて
そっと胸のファスナーに閉じ込めるんだ
惜しみない敬意と愛を込めてファスナーを
(Mr.children「ファスナー」)

深い。この歌詞を書いた時、桜井さんは天才。

2005年04月06日

今日のお言葉。

もっと沢山ほめられなさい
そして自信をつけなさい 自信のある子だけが 次にいけるの
それがいちばん 女の子を きれいにするの
(おかざき真里「サプリ」)

恋愛を勝ち負けだと思っていない?
(おかざき真里「サプリ」)

恋愛の機微。

2005年04月12日

本日のお言葉。

「教えてあげてもいいけど、私の仕事の邪魔しない?」

2005年06月25日

今日のお言葉。

「恋をすると女の子はキレイになるっていうけれど
 ダメだな
 男はカッコ悪くなるばかり・・・」
(羽海野チカ, 「ハチミツとクローバー」)

永遠の真理だと思う。

2005年07月04日

「ドラマチック」

優しい雨は降る 私達の上に
すれちがう人の数だけ ドラマチックになるの
無くした約束は星に 思い出はとけないでそばにある

こわれた大切なものと いつか又あえる日がくるかしら
残したくちづけは消えない それぞれの場所まで
もう行かなくっちゃ
(YUKI,「ドラマチック」)

優しくて、強くて、切ない歌。今のところ、今年のベスト。

2005年07月05日

テロリストと情報部員と - 今日のお言葉

「ジャック。君が今一番望んでいるのはリーアンか、<<リヴィエラ>>か、この俺か」
「全部だ」
「それは、神に誓って不可能だ。どれか一つ選べ。リーアンと暮らす生活か。リーアンを捨てて<<リヴィエラ>>を追うか。あるいは、この国のどこかで俺と一緒に死ぬか」
「全部だ・・・・・・。僕は三つ全部を手に入れる」
(高村 薫,「リヴィエラを撃て」)

全編に渡ってクライマックスの「リヴィエラを撃て」。何度読んでも面白さが色あせない。

2005年07月13日

creative

少し前に宮崎駿監督が、MoMaで開催された「ハウルの動く城」の試写会に寄せたコメントをラジオで聞いた。

「若いこと。無名であること。貧乏であること。これらは、クリエイティブな仕事をするための条件です。」

そう、何ら恥じることは無い。この条件から外れる最初のものが、「若いこと」で無いように祈りたい。祈ってるだけじゃ、駄目なんだけど。

2005年07月25日

Weekend on Monday

今さら遅いとか早いとか言わない方がいいんだけど
あえてあからさまに曖昧にどっちでもいいと言ってくれ
雨が強くて よく晴れてたっぽい月曜日の週末は
あからさますぎて大事なことがわからない
(ゆず、「月曜日の週末」)

完全週休二日制を願いつつ。

2005年07月27日

数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です

「何故、役に立たなくちゃあいけないのかってきき返す」
「だいたい、役に立たないものの方が楽しいじゃないか。
音楽だって、芸術だって、何の役にも立たない。
最も役に立たないということが数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。
人間だけが役に立たないことを考えるんですからね…。」
(犀川創平「冷たい密室と博士たち」)

研究こそ、人間的な活動であると信じることが重要。何かを信じられると、信じないとね。
修論最終発表を無事に終えたb氏に捧ぐ。

2005年09月09日

ピアノ協奏曲第二番変ロ長調

その様は、五感を撫でるような美しさだった。

シンクレアの指から落ちる音は、まさにしずくの響きを聴く思いだった。一滴一滴がどれもほんの一瞬の光を放って淡々と落ちていく。しずくは次第に重なり、流れる水に変わり、弦楽のうねりとともに高まることもあった。そういうとき、弦楽が短い悲嘆の叫びを上げ、その下でピアノがうねり上がり、また弦楽が悲しげに叫び、ピアノがそれをすくい上げる。中間部でさらに遅々としたアダージョになったとき、ピアノは再びしずくになった。前よりもっとひそやかな一滴が、旋律の彼方に落ちる。また一滴。

それは、事実、ほかに重なる音も、それに前後して続く音もない、高い単音だった。それが、ほんとうのしずくに聞こえた。

シンクレアの魂から、一滴一滴しぼり出されて落ちていく。まさに、涙の音のようだった。

(高村薫, 「リヴィエラを撃て」)

2005年11月03日

今日のお言葉。

「君の願いがどうか粉々に砕けますように
きれいな思い出になんてすると
空にのぼって いつまでも 星みたいに輝くから」
(羽海野チカ, 「ハチミツとクローバー」)

2005年11月30日

from radio

今夜夢の中 どうか逢いにきて
その願いがもし叶うなら
信じてもいいよ 昔の話を
あなたの肩に触れた風の中
私の心の奥には
春の花が咲いている
(MISIA, 「眠れぬ夜は君のせい」)

2006年03月17日

決め台詞

「私、先生のことが大好き」
「そうみたいだね」彼は足もとを見て、無表情に答える。

「ご存知でした?」

犀川は顔を上げて、萌絵を一瞥する。
「君よりはね」

(森博嗣、「今はもうない」)

2006年05月01日

教育とは

親が子供に教えなければならないのは 転ばない方法ではなく
人間は転んでも何度でも立ち直れるってことだ
(羽海野チカ, 「ハチミツとクローバー」)

2006年06月11日

W杯特別企画:先人の名言その1

W杯開催ということで、勝手に特別企画をはじめてみよう。サッカーにまつわる名言集である。
クライフの言葉はいつも鋭く、かっこいいが、今回の白眉はストイチコフだろう。

「サッカーは本当にすばらしい競技だ。なぜなら、子供を大人に、大人を紳士に育て上げる競技だからである。」
(デトマール・クラマー)

「100mよりも30m-40mを速く走ることが重要。だがもっと重要なのは、いつ走るかだ。」
「偶然は必然だ。」
(ヨハン・クライフ)

「向こう(神様)は空の上、こっちは地上だけど、俺にだって奇跡を起こすことができる。」
(フリスト・ストイチコフ)

2006年06月14日

W杯特別企画:先人の名言その2

「この結果で神様は私たちから奪ったのではない。与えたのだ」
(ラモス瑠偉、アメリカW杯、予選敗退したドーハにて)

信仰の力は、この次への一歩なのでは無いだろうか。信じる心。


「今を戦えない者に、次や来年を語る資格はない。」
(ロベルト・バッジョ)

「ノーマークなら俺にパスしろ。1人マークがいても俺にパスしろ。2人いたら…やっぱり俺やな」
(釜本邦茂)

2006年06月30日

「先生もさ・・・寂しくなったりしますか?」

「ん?さみしいよ。でも ただそれだけの話だよ。
時々 大波が来て 心臓がねじ切れそうになってのたうったり
叫びだしそーな夜とかが
周期的にやってきたりするけどね
ま、そんだけの話。命に別状はないよ。」
(花本修司、「ハチミツとクローバー」)

2006年07月04日

片思い。

「ずっと好きでいつづけて、どんなに好きか思い知らせかった ? そんなコトに何もイミがないのも解ってた」
(山田あゆみ、「ハチミツとクローバー」)

2006年07月12日

SHOELESS JOE

いくぞ からだを動かせ
素直にうなずけ
あちこちぶつかり進め

いくぞ むずかしくするな
ルールはルールだ
気持ちを大事にして
(橘いずみ、「SHOELESS JOE」)

2006年07月14日

W杯特別企画:先人の(今の)名言その3

「イタリアは私の体の一部を切り落とした。このことを私は一生忘れない」
(フランツ・ベッケンバウアー、2006年W杯準決勝ドイツ-イタリア後のコメント)

2006年07月21日

原田君。

自分を泣かせたヤツのために泣くな
ここはオレがあとかたもなく ぶっこわしてやるから

もう お前には 俺がいるんだから

帰る場所なんて
もう 他にはいらないんだから

2006年08月01日

おしゃれな会話。

森博嗣の作品は、ミステリィとしてのプロットや描写も素敵だが、個人的には会話のセンスが一番秀逸だと思う。特に、犀川先生と萌絵の会話は軽やか。

「あの、これ、何のおつもりです?はっきりおっしゃって下さいよ」
「プレゼント」犀川は答えた。
「何のプレゼント?」
「開けてみたら?」
「開けて良い?」
「既に君のものだよ」
(森博嗣、「虚空の逆マトリクス」より"いつ入れ替わった?")

2006年09月15日

最終回。

ずっと考えていたんだ
実らなかった 恋に 意味はあるのかなって
消えてしまった ものは
始めから 無かったものと
同じなのかなって

今ならわかる
意味はある
あったんだよ ここに
(羽海野チカ, 「ハチミツとクローバー」)

2006年11月28日

今日のお言葉。

たった今、君が突然言い出した、押しつけがましいお願いが、希望で……、僕がそれを断った、言葉では説明できない曖昧な理由……、それが夢だ
(森博嗣、「詩的私的ジャック」)

2006年12月07日

性格。

「自分の性格で好きなところは?」
「いい加減なところ」

「じゃあ嫌いなところは?」
「いい加減なところ」

2007年01月16日

内緒と沈黙

「内緒と沈黙は、どこが違う?」

「内緒は人間にしかできない」
(森博嗣、「冷たい密室と博士たち」)

2007年01月18日

skycrawlers

「戦争を知らない大人たちに捧げよう。
彼らの過ちは、三つある。

子供たちが自分たちから生まれたと信じている。
子供たちより多くを知っていると思い込んでいる。
子供たちがいずれ自分たちと同じものになると願っている。

それら妄想の馬鹿馬鹿しさといったら、
戦争よりも悲惨なんだから。」
(森博嗣, 「スカイクロラ」)

2007年01月25日

one by one

「何かに気がついて、新しい世界が見えたりするたびに、違うところも見えてくる。自分自身も見えてくるんだ。面白いと思ったり、何かに感動したりするたびに、同じ分だけ、全然関係のない他のことにも気がつく。これはどこかでバランスを取ろうとするのかもしれないね。例えば合理的なことを一つ知ると、感情的なことが一つ理解できる。どうも、そういうふうに人間はできているみたいだ」
(森博嗣,「幻惑の死と使途」)

tokyo_forum.jpg
"structural shape"
Leica C-LUX1
yurakucho, Tokyo/Japan

2007年02月01日

花本君。

「なぁ、花本君 教師になんぞなるもんじゃないな
どんなに可愛がっても相手は卒業していくばかり
見送るだけの人生じゃ
卒業してしまえば 次に会うのは何年も先
ヘタすりゃ2度と会うこともない

一体教師というものは・・・
永遠に卒業できない 学校の亡霊のようなもんなんじゃろうかの?
なぁ そう思わんか 花本君・・・」
(羽海野チカ, 「ハチミツとクローバー」)

2007年02月04日

そっとしておかなくちゃいけないこと。

"そっとしておかなくちゃいけないことって、世の中には沢山あるの。それが大切なマナーなんです。答を出してはいけない問題があるの。どれも、算数みたいに、きちんと答が出るわけじゃないのよ"
(森博嗣、「夏のレプリカ」)

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